数日前から、町中にある職場で、ゆったりとした高音で透明感のある響きのさえずりが聞こえるようになり、気になっていた。 職員から「なんの鳥?」と尋ねられたがわからず、もやもやしていた。 数年前に目が見えにくい人たちののサロンで「樹木探訪」講座を担当したとき、耳で森に親しんでもらおうと、鳥の「聞き做(な)し」を紹介した。 以来、鳥に詳しい人だと思われてしまった。 聞き做しは、例えば今の季節、夜中に聞こえるホトトギスは「トーキョートッキョキョカキョク(東京特許許可局)」と日本語に置き換えて覚える。 自宅周辺が閑静な田園地帯で、裏山や庭木も多く、いろんな鳥の気配がある。 でも、用心深い彼らの姿を見るのは難しいから、鳥種を知るには、さえずりが最初の手がかりになる。それで聞き做しを覚え始めた。 職場で聞こえたのは、知っているものとは違うようだった。聞こえた方を見上げても、逆光で眩しい上に距離があるのでよくわからない。 ヒヨドリぐらいの大きさで、細長い尾があるようだけど。次は双眼鏡を持ってこなくては。 翌日、6月第2土曜日の午前、梅雨入りしたとは思えない、爽やかな風の吹き込む職場4階の室内でのこと。 サークル定例会の記録係を担当し、ペンを走らせていた。議題の合間に、ふと窓の外を見ると、すぐそこに青い鳥がとまっていた。 前日、ネット検索でこれかなと思っていたイソヒヨドリの姿のとおり、頭から胸にかけて鮮やかな青色だった。 嬉しくて「ほら、そこに幸せの青い鳥がいますよ」って隣の人に囁くと、目を丸くして「幸せになれるかな?」って。 なれますよ、あなたならきっと。心の中で呟きました ^^;